チョイスルーキー部門
茨城県鹿嶋市
授業の「枠」を超え、ビジネスパートナーとなった生徒たちの軌跡
自治体職員
布施 琢也
総合的な学習の時間の授業として「地元について深く知り、新しいふるさと納税返礼品を考案し、そのPR方法まで考える」の趣旨で、中学1年生15グループ169名が本市の強み・資源を活かした新返礼品の考案のため、令和5年4月から市場調査やフィールドワークを行い、翌年2月の最終報告会で生徒たちが市長や事業者8社にプレゼンテーション。その内容を受け、同4月、焼芋関連商品の製品化に動き出した。
2年生となった生徒たちを先頭に、焼芋アイスの製品化・返礼品登録に向け「味の決定、PR方法・サムネイル写真の選定」を開始。夏休み中には試作品を155人に試食・アンケート。150人が好評価、残り5人は「焼芋の味が濃い」と理由を聞き取った。また、各サイトに掲載する効果的なサムネイルの調査・提案、イベントでの販促PR・販売補助など、商品企画から販売に至るまでの経験をした。
地元を深く知り、ふるさと納税制度を理解するだけでなく、授業の枠を超えて実際のビジネスの現場でマーケティングを学ぶ機会となった上、考案した返礼品は掲載開始の10月末~12月末の実績は24ケース139個、転換率は6.94%と高く、人気の返礼品となっている。
特別賞のコメント
アナウンサー
もし自分が中学生だったらぜひ参加してみたいと強く思ったのが選んだ理由です。中学一年生というこれからのふるさとを担う世代を主体、ビジネスパートナーとして信じ任せてあげた点、特に地域資源を意識させビジネスを体験、地域への愛着と課題解決能力を育むという教育と地域活性化を組み合わせた点がユニークでした。ビジネス体験型の学習プログラムが必要と言われる中、一種の理想的な形であり持続的というのも素晴らしいと思います。生徒たちの成功体験、新たなふるさと納税品の開発、地元企業と子供達との連携による活性化、自治体が伴走した点、どれをとっても地域を大切にするふるさと納税の本来の理想の形に限りなく近いと思いました。