父の遺志を継いだこだわりのメロンをふるさと納税で全国に

「くるめメロン」は三浦半島で古くから作られてきた品種で、高糖度ととろけるような肉質が特徴の美味しいメロンです。しかし、このメロンは三浦半島以外ではほとんど作られていません。畑でぎりぎりまで完熟させてから収穫するので日持ちがせず、市場向きではないためです。主に市内など限られた地域で販売・消費される、「知る人ぞ知る」メロンでした。

井上農園では30年ほど前、先代の父がこのメロンの生産を始めました。父はメロン栽培に特に心血を注いでいましたが、ある時父が病に倒れました。農業を続けることが難しくってもなおメロンづくりを諦めない姿を見て、「父の思いを絶やしてはならない」と就農を決意。大学を中退し、父との限られた時間の中でできるだけ知識と情熱を吸収しようと必死に取り組みました。父が亡くなった後、一人でメロンづくりをする中で失敗も経験しましたが、やっと納得のいくメロンを作れるようになりました。

そんな中、市内のメロンの生産が減っていることを知り、横須賀の伝統ある名産を守りたいと思い、「よこすか潮風メロン」としてのブランド化を決意。市とも連携し、ふるさと納税が「よこすか潮風メロン」を全国へ広める足掛かりとなりました。

これからもこの「よこすか潮風メロン」が、横須賀の自然や農業を知るきっかけとなることを願い、横須賀ならではの伝統と名産、そして亡き父の思いを守っていきたいです。