2022 エントリー

未来につながるまちづくり部門

年間700トンの廃石膏を再利用したい!小さな町の大きな挑戦

長崎県波佐見町

年間700トンの廃石膏を再利用したい!小さな町の大きな挑戦

波佐見町は、陶磁器「波佐見焼」の産地で、全国の一般家庭で使われている日用食器の約17%を生産する400年の伝統を持つ全国屈指の「やきものの町」として栄えています。
一方で、波佐見焼を作る過程で使われる石膏型は使用回数を重ねるごとに劣化し、その廃棄量は年間700トンにも上ります。この廃石膏の有効活用が長年の課題となっています。
この課題を解決すべく動き出したのが、ふるさと納税を原資とした「地域内循環波佐見陶箱クッキープロジェクト」です。
本プロジェクトの研究により、カルシウムなどを含んだ石膏を土壌改良剤としてリサイクルし、これを撒いた田んぼで米粉用米を生産することに成功しました。
この米を米栽培農家にて生米粉へと製粉加工し、地域のお母さんたちが丁寧な手仕事で米粉クッキーを焼き上げ、色鮮やかな波佐見焼の陶箱とコラボし、「波佐見陶箱クッキー」が誕生しました。
波佐見町は、農業も盛んな半農半陶の町です。
陶箱クッキーの開発は、「陶」と「農」が循環する地域内循環モデルを形成したことで大きな反響を呼び、生産が追いつかない程の人気を博しています。また、廃石膏のリサイクルは、建築資材への利用や食用米への農業利用などにも広がりを見せ、長年の課題解決に向け、町が一体となって動き出す原動力となっています。
そして昨年、皆様の寄附から誕生した陶箱クッキーを、ふるさと納税の返礼品として寄附者の皆様に送り届けることができました。
地域の課題解決のために始まったプロジェクトですが、今では寄附者と波佐見町を繋ぐ架け橋にもなっています。

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