2022 エントリー

未来につながるまちづくり部門

「行政×地元企業×学校」間で創り出す!地域協働学習

宮崎県椎葉村

「行政×地元企業×学校」間で創り出す!地域協働学習

人口約2400人、総面積537?のおよそ96%が森林であり、日本三大秘境とよばれる宮崎県椎葉村。広域のため、村内唯一の中学校に通う約7割の生徒が寮生活を送り、高校進学時には椎葉村から離れなければならない環境である。そんな本村がふるさと納税を活用し行っている事業に「未来づくり学習支援事業」がある。
この事業は、椎葉中学校を対象に、「行政×地元企業×学校」の三者で「学校地域協働学習」を行うものである。村教育委員会から委託を受けた地元企業(合同会社UIキャスト)が「総合的な学習の時間」を通年でサポートする。各学年ごとに担当者を配置し、世界農業遺産に認定された焼畑農業をはじめとする「自然と共生する営み」を学ぶ授業や、地域住民が教壇に立つ授業など独自のカリキュラムにて学習を行えるようになった。
また、昨年度は生徒が学習内容をまとめ、椎葉村のPRパンフレットを作成した。椎葉村の魅力を発信するため、修学旅行先や役場での配布、返礼品への同梱などを行った。配布時はもちろん寄附者からも反響があり、生徒の学びに繋がっている。
昨今、地域と学校が両輪となって子たちを育てる地域協働学習の必要性が叫ばれるが、学校現場からは「軸となる地域の協力者が必要だ」という声も聴かれる。また、椎葉中学校はへき地のため教員が約3年で異動しており、学校と地域との繋がりが途切れやすい。地元企業が繋ぎ役となり地域が学校へ関わる場を継続して実施できる本村の取組は、子どもの学びと大人の生きがいを生み出し、地域活性化に大きな相乗効果を促すことが期待できる。

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