2022 エントリー

チョイス事業者部門

地域の厄介者を恵みに 広がるサステナブル(持続可能)の輪

熊本県宇城市

地域の厄介者を恵みに 広がるサステナブル(持続可能)の輪

推薦者:宇城市

「地域と畑は自分たちで守る」を合い言葉に、田畑を荒らすイノシシから地域を守る農家ハンター。「もう農業ばやめようと思うとたい」という一言から里山の危機を目の当たりにし、2016年に活動を始めました。リーダーは、洋ラン農家の宮川将人さんとミカン農家の稲葉達也さん。狩りを目的としないため、活動メンバーは被害の当事者となる農家に限定。彼らは、企業等の協力を得てAIやICT技術を用いた効率的な対策で地域と力を合わせて捕獲し、その数は年間900頭にも及びます。また、箱わなやIoT機器の無償貸与、講習会の開催などで、農家自らが対策を行える仕組みづくりを行い、同じ悩みを抱える地域にそのノウハウを惜しみなく伝えています。
捕獲したイノシシは、国産ジビエ認証を受ける解体加工場「ジビエファーム」で加工。施設長の井上拓哉さんは学生時代にクラウドファンディングで農家ハンターに出資したことがきっかけで宇城市へIターン。捕獲から食肉加工まで全てを担い、ふるさと納税の返礼品にもなっている肉やハム、カレーなどを通して全国で問題となっている鳥獣被害を伝えます。
命を頂くことへの責任と向き合いながら活動する彼らは、食用に適さない部位もペットフードや堆肥、石鹸などへと再生し、恵みへと変換。今年から環境や命の大切さを伝える体験ツアーも開始しました。
命と向き合いながら、地域との信頼関係を築いてきた農家ハンター。地域を明るく照らす希望の星です。

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