2022 エントリー

チョイス事業者部門

東京で薪を売る。都市の緑を資源に変える!

東京都清瀬市

東京で薪を売る。都市の緑を資源に変える!

清瀬市は、都心から30km圏内、武蔵野台地上の北多摩地域に位置し、農家の屋敷林や平地林など多くの雑木林が残る“武蔵野の原風景”を残している地域です。雑木林は「ヤマ」と呼ばれ、落ち葉は肥料、枝葉は燃料、幹は木材として、暮らしに利用されると同時に、利用されることにより、萌芽更新が促され、豊かな雑木林が保たれるというサスティナブルなシステムが約400年前から確立されていました。現在は燃料や木材としての利用はなくなりましたが、都市農業が盛んな当市では落ち葉堆肥が利用され、環境学習や市民の憩いの場としても雑木林が活かされています。

そんな当市で「薪」「スウェーデントーチ」を返礼品に提供しているのが、50年以上にわたり伐採業を営む有限会社大石勝蔵商店。雑木林や街路樹、庭木の伐採や剪定を業としており、その作業で発生した材を、薪などに加工して販売。既にキャンプやバーベキュー、薪ストーブの愛好家や、寿司店の竈(かまど)、イタリアンレストランのピザ窯も愛用している「清瀬の薪」は、2021年夏に返礼品に選定され、同年の申込み件数で一躍トップとなりました。

代表取締役の葦浦康高さんは、「大事な樹をやむを得ず伐るのだから、大切に使うというのが先代の教え。伐られたあとも、薪として使われ、灰も肥料として畑を元気にしてくれる。大切に使うことが、敬意。伐ることを仕事にしているからこそ、樹を大事にすることを伝えていきたい」と語ります。ふるさと納税を通して、かつて暮らしを支えた北多摩の「ヤマ」に敬意を払い、再び資源が循環する社会を目指しています。

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