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チョイス事業者部門

美味しいお米を届けたい、その本当の理由

奈良県広陵町

美味しいお米を届けたい、その本当の理由

推薦者:一般社団法人広陵町産業総合振興機構 竹川敏史
大正元年から続く広陵町の米穀店。店主の林正樹さんは毎年2~3町の面積の生産を拡大しています。なぜこの時代に耕地面積を増やされているのでしょうか。
その昔広陵町は水資源に乏しい地域でした。先人たちの努力の結果が田んぼであり、後世まで守っていくものに変わりました。しかし時代は移り変わり、生産者の高齢化という問題は広陵町でも起こってきました。そこで自分自身で耕せない方が林さんを頼って生産を依頼されてきました。この結果、林さんは毎年耕作面積を増やすことになります。
田んぼの管理というものは田植えや稲刈りだけではなく日々の草刈りや水位の調整等、目には見えない毎日の作業が行われています。これらの作業は地域の周辺環境の整備に大きく影響を及ぼします。生産者がいなくなればその場所は耕作放棄地となり草が無造作に生え、その隣の田んぼや住宅にまで影響は広がっていくからです。
林さんはお米の生産者という立場から景観を保護し続けています。「儲けたかったらこんなことせえへん。ただ、手を入れないとこの地域がえらいこと(どうしようもないこと)になる。」と林さんは笑って話してくださいました。
生産を維持していくためには、一定消費も必要になります。美味しいお米と認めてもらって売れなければ、多くのお米は作れない。お米が作れなくなると広陵町の景観を守っていくことができない。林さんは有機肥料を使用することや、玄米保冷庫、発送直前精米、色彩選別など手間をかけたお米を作ることによって、広陵町の景観を守り続けていきます。

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