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ふるさと納税で自社の魅力再発見!和菓子屋八代目の海外進出物語

長崎県平戸市

ふるさと納税で自社の魅力再発見!和菓子屋八代目の海外進出物語

私は1762年創業の地域密着型の和菓子店の長男として生まれ、IT企業のサラリーマンを経て実家を継ぎましたが、過疎化、高齢化が進む平戸商圏だけでの経営に限界を感じていました。
そんな折、1つ目のチャンスが訪れます。2018年、もともと熊屋銘菓セット詰め合わせでかすてらと最中のセットを出品していましたが、当時ふるさと納税担当だった黒瀬氏の熊屋も熊屋の銘菓も知らない人にこの内容だと伝わりにくいので、かすてら1本に絞るようにというアドバイスで、かすてらに絞って出品したところ、予想以上の反響がありました。それは、長崎県の和菓子店で育った私の「かすてらは当たり前にあるもので、顧客から求められている商品ではない」という固定観念を壊すには十分すぎる出来事でした。
そして、販路を拡げるための「次の手」を模索していた私に2つ目のチャンスが訪れます。平戸商工会議所主導で平戸物産の台湾輸出事業が立ち上がり、その事業の一環として台湾国内で開催される食品展示会にかすてらを出品したところ、こちらも予想を上回る反響で、見事台湾の企業との商談がまとまり、現在は年間約2万本のかすてらを台湾へ輸出できるようになりました。競合がひしめく国内ではなく、日本文化や歴史に価値を見出しやすい海外で勝負するという思いきった決断ができたのは、ふるさと納税を通して自社の眠っていた魅力に気づかせてもらったからだと思っています。
現在は3つ目のチャンスである、台湾工場設立に向けて準備を進めている段階です。弊社が約250年もの間営業を続けることが出来たのは、美しい自然、豊かな歴史、優しい人々に恵まれた、平戸という町のお陰です。その平戸が苦境に立たされている今、弊社が先陣を切って世界に出て行き、各地で平戸の名を響かせ、雇用を促進し、人を育てて平戸への恩返しをすることこそが、熊屋八代目の責務であることを心に刻み、事業に邁進していきたいと思います。

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