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再び水産加工のまちへ!若い事業者の取組み

福井県敦賀市

再び水産加工のまちへ!若い事業者の取組み

敦賀市は北前船の寄港地として栄えた港町です。北前船は北海道から大阪までの寄港地で積み荷を売買する「買積船」です。昆布やニシンなどが上方へ運ばれ、米や塩、綿花などが北方へ向かい、寄港地で盛んに売買されました。明治時代、物流の中心が海運から鉄道へ変化すると、日本海側初の鉄道が敷設された敦賀市は国際航路の玄関口となります。東京と敦賀を結ぶ欧亜国際列車からシベリアへ向かう航路、鉄道を乗り継ぎパリへ着くヒトとモノの中継地でした。北前船主であった大和田家は築いた財で銀行を設立し、敦賀港の近代化を図り地域の発展に尽くしました。こうした歴史から商業や海産物の加工が盛んでしたが、近年は人口減少とともに事業者も減少しています。
(株)伝食は設立10年の若い会社で、ネット販売で急成長を遂げました。越前ガニをはじめとする福井が誇る海産物のほか、魚介を中心に世界中の商品を取り扱い、日本の食を支える現代の北前船です。
同社は返礼品提供事業者としても急成長し、代表的な返礼品が「ふるさとチョイス」エビ・カニランキングで1位となるなど、本市のふるさと納税をけん引しています。これらの返礼品加工は市内の水産加工施設で行っていましたが、返礼品の人気で需要が急増したことから市内の産業団地に大規模水産加工施設と物流倉庫を整備し、自社加工を開始します。
本市は返礼品開発等支援補助金を新設し、事業者を応援してきました。こうした効果もあり、返礼品開発に取り組む事業者が増えています。また、同社に続き自社加工施設の整備に取り組む事業者も現れ、敦賀市は今、再び水産加工のまちとなることを目指しています。

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