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あんこうで街を元気に。ピンチをチャンスに変えた変身劇

茨城県北茨城市

あんこうで街を元気に。ピンチをチャンスに変えた変身劇

北茨城市は、人口4万人程度の街で、風光明媚な自然に囲まれ、七つ子の童謡で知られる野口雨情や近代日本美術の創始者である岡倉天心などの芸術文化が培われています。北茨城市は太平洋に面しているため、魚介類は豊富に揚がり、水産加工品も数多く、観光客は美味しい「お魚」を求めてやってきます。その中でも市の魚に指定されているあんこうは、「常磐もの」といわれるくらいの美味で、名物あんこう鍋は過去の鍋グランプリにて優勝している実績を誇っています。
東日本大震災では、茨城県内で一番の被害を受け、ようやく復興できたかと思った矢先の、新型コロナウイルス感染症による打撃。その影響は大きく、観光業や民宿旅館業でも盛んな当市としては、廃業に追い込まれる事業者も少なからずおりました。そのような状況を打開すべく、当市にある老舗旅館の「まるみつ旅館」では、宿泊ではお客様が来ない状況をみて、あんこうとその肝をふんだんに使った「あんこうラーメン」を専門としたラーメン屋を旅館内にオープンしました。旅館がラーメン屋を始めたというニュースは瞬く間に広がり、もともと、あんこう鍋(過去の全国鍋グランプリで優勝経験あり)が有名な旅館ではあり、続々とお客様が舞い込み、連日売り切れが続出するほどでした。その効果かは不明ですが、ふるさと納税にある「あんこう」関係の返礼品が上昇傾向となりました。
まるみつ旅館の社長は「震災を乗り越えたと思ったらのこの状況、皆元気がない中で旅館も含めてどうにかしたいと考えた。ピンチはチャンスと思い、ラーメンを思い切って専門的にやることで、お客を呼び、再びあんこうがあるこの町が元気になることを願いたい」と語り、あんこうをさらに研究し地域活性の一助として、次なる『秘策-チャンス-』を日々、模索しています。

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