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未来につながるまちづくり部門

舞台を“絢爛”に染める!石見神楽支援プロジェクト

島根県浜田市

舞台を“絢爛”に染める!石見神楽支援プロジェクト

浜田市は明治時代に「八調子」石見神楽が生まれた土地です。郷土芸能の概念を覆す、軽快で斬新なパフォーマンスが特徴的な伝統芸能。地元での絶大な人気は、近年全国に波及するようになりました。テレビなどでも取り上げられ、認知度の向上は目覚ましいものがあります。浜田市では、ふるさと寄付の使途として、この石見神楽に必要な用具の新調を支援しています。「着る不動産」とも呼ばれる高価な神楽衣装を始め、和紙でできた表情豊かな神楽面や、八岐大蛇の再現性を各段に上げた提灯蛇胴など、石見神楽を構成する用具一式は新調することに大変な資金力を必要とします。上演団体同士、競争意識を持ちながら切磋琢磨して芸を磨き、舞台での存在感を遺憾なく発揮するため、各上演団体は用具の補修・新調に大きな負担を抱えながら、コロナ禍の下であっても団体を維持しています。
神社での祭礼に舞を捧げる事を誇りながら、同時に広く全国にファンを増やしたいと願っている神楽人は、専門の役者ではなく、いろいろな物事をいわば犠牲にして舞台に臨んでいます。こうした思いの結晶が、舞台芸能としての深化を続けながら今日の石見神楽を培ってきました。
「舞(石見神楽のこと)を舞いたいから地元に残る。」このように話す若い人は後を絶ちません。一方で、多忙になった小中学生の神楽熱は、以前と比べて若干地温が低くなった感触を覚えます。地域の誇りを絶やさず、次代につなげることが市民の責務となっています。

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